うさ日記

憂さ晴らしに書くのかもしれません

立てば芍薬、座ればトマト、寄り添う姿は百合の花

この文章は機動戦士ガンダム水星の魔女第11話「地球の魔女」までのネタバレを含みます。

 

 

 

スレミオーーーーッ!!!!!

 

 

……もうコレが全部じゃない?

まぁなんかデリングとエルノラが意味深な会話してたりさ、地球のメスガキもとい地球の魔女がテロ仕掛けてきたりさ、グエルパパが巻き込まれてグエルの前で死にそうな雰囲気あったり色々あるけども!

 

もうね、スレミオなんですよ。

結局回答はスレミオってワケ!もうこれから流れる1クール目最終話ではなんだかんだで結婚式して終わるから!もうなんか何もかも上手く行って、スレッタとミオリネは幸せになって終了!

 

なワケないよなぁ……。

 

というわけで、ほぼ間違いなく第二クールは作中時間の数年後の時間軸で地球vs宇宙、あるいは地球vs企業(細分化されてるかも)vs宇宙議会連合的な戦争になってしまうと思ってます。なってほしくないけどね!でもたくさんのMS同士が戦うシーンは見たいという矛盾。

 

ちなみに今の予想は2期の1話で量産された劣化エアリアルを使う地球勢と企業の戦闘に、ミオリネ率いるチュチュを初めとした株式会社ガンダムの面々(大人Ver)が介入するも、多勢に無勢で追い詰められた時にエアリアルがやってきて「スレッタ生きてッタ」と大喜びでコックピット開けたら1期時点の姿のままのスレッタが出てきてびっくり!でED流れる!翌週気になる!トレンド1位!的な感じです。

当たってたら褒めてください。1話の時からこれ言ってるんで。

 

さて、1話から言っていたことといえば「水星の魔女もまた、現代の『ガンダム』」という話です。ガンダムは常に当時の未来像を反映した青少年のための物語であり、水星の魔女もまた現代の延長線上の物語になると思うという話でした。

 

1期を振り返り、改めてこの感じ方は正しかったように感じます。経済格差や地球環境への閉塞感は現代の反映であり、なんなら親子の問題に関しては初代ガンダムよりも熱心に描いていたと言えます。

 

親関連に関しては初代ガンダムは一言にまとめてしまえば、母親も父親も捨てて独り立ちする物語です。主人公の父母についての話しか出てこないし、回答も一つしか示されません。

 

しかし水星の魔女では主要な子供たちの多くに親が存在し、それぞれの向き合い方が示されます。進めば2つと親の教えを生きる指針にするスレッタ、反発から理解へと幼年期の終わりを迎えつつあるミオリネ、分かり合えないまでも尊敬の念を捨てないグエル、面従腹背の姿勢で見下すシャディク。四者四様の解答が示され、その多くが「対立」や「独立」よりも「理解」に近い方向性を持っています。やはりこの解答の多様性や柔軟性は時代の変化でしょう。

 

ちなみにもう1人、ニカも親が示されています。彼女はどういう未来を描くのか。死にそう。死なないでくれ。

 

あとは生まれ育ちの格差もかなり強調されています。正直今の子供達は一億総中流とは感じていないでしょう。ちょっと金持ちの子と、そうでない子と。それがいつの間にか私たち自身の差になってしまうことを、今の青少年は実感として知っているはずです。まさにアーシアンスペーシアンの様に。

 

そしてなにより、話の冒頭から戦争が始まるor戦争がすでに始まっているのではなく中盤から戦争になるなら、やはり時代の繁栄である様に感じますね。かつて「もはや戦後ではない」とされた時代があり、その時代に初代ガンダムがあったわけです。つまり、戦争という状況が過去のものとして俯瞰的に受け入れられる時代が。しかし今の我々にとってその言葉はもはや全く逆の意味を持ちます。そう、もはや戦後ではなく「戦前」なのです。去年のウクライナへのロシア侵攻はもちろんのこと、それ以前から「どうもキナ臭いぞ」という認識は同年代の間にありました。そういう時代に対するイメージの違いが、「戦争で始まらないガンダム」を生み出したんじゃないかな、と。

 

ガンダムが過去の遺物なのもそれらしくていいですね。ガンダムは40年以上の歴史を持ち、ファンも相応に年齢を重ねています。まぁ言葉を衒わずにいえば、年寄りのものという感は否めません。いや俺24歳なんですけどね。

 

でも、だからこそガンダム全体にとっても、ガンダムの否定から始まるこの物語は重大な意味があると思います。まさに新たなガンダムの始まりになる……といいな!って思ってたんですが、割とTwitterのトレンドになったりと良い感じに新しいガンダムとして話題になったと思います。毎週話題になって、新しいキャラクター、新しい謎に盛り上がっていく。特に、ここに新しいMSが入らなかったのがいいと思ってます。やれMSの性能が、設計思想が……とベラベラ話すのは我々ガンダムおじさんの悪癖ですからね。そういうロボットアニメとしてではなく、一つの物語として話題になったのがとても嬉しいです。

 

あと百合。やっぱ百合なんすよ。といいつつ、グエルもみんな好き。それも今作のいいところ。

 

というわけで12話「逃げ出すよりも進むことを」。期待して見ます。それを、君が選んだのなら。