うさ日記

憂さ晴らしに書くのかもしれません

逃げても進んでも、何も得られないなら。

この文章は機動戦士ガンダム水星の魔女第14話「彼女たちのネガイ」までのネタバレを含みます。

 

 

 

 

あわっ、あわわわわわ……

 

あのその、ルブリスウルのガンプラを買えてなくて、「ソーンと一緒に並べてあげたいから売ってるとこ探そーっと!」とか思ってたんですけど……

 

遺品になっちゃった……

 

思えば短命なキャラクターでした。10話あたりから顔見せが始まり、14話で退場してしまいました。二重の意味で短い人生の中で、鮮烈に生きたキャラクターだったと思います。

 

そんな彼女の願いが食事や寝床を得るためでしかないというのが……。スレッタは「そんなもののために人を殺すのか」と問いますが、それ以前に彼女らは別の命をベットしているんです。それは自分の命。なぜならガンダムは呪いのモビルスーツだから。命が惜しいとか命を大切にとか以前に、彼女らは何かを得るために賭けられる持ち物が命しか無かったのです。

 

「逃げたら一つ、進めば二つ」は多くのキャラクターの心を動かしてきました。しかし、ソフィとノレアには響かなかったことでしょう。だって、逃げたら残るものが何もない!その日の食事も、安らぎも、そして家族さえも……

 

ソフィがスレッタに求めたのは家族でした。ぬいぐるみではない、本物の家族。見返してみれば彼女の"家族"は全体的にくたびれていますが、中でも特にお母さんとされたものはボロボロになっています。そしてアスティカシアでのオープンキャンパスで新たに気に入ったハロと入れ替わる形で打ち捨てられています。

 

おそらく、最も欲しかったのは母親だったのでしょう。そして、スレッタに求めたのも。パーメットによる死の恐怖の中で生を実感するソフィにとって、戦いとは安らぎそのもの。もっともそれを与えてくれた人、そして与えてくれるはずの人。それがスレッタであり、母親だったのではないでしょうか。

 

しかし母親は必ずしも子を愛するばかりではありません。そう、プロスペラです。とうとう一部が明らかになったクワイエット・ゼロとエアリアルの謎。要約するとクワイエット・ゼロとは世界中の(パーメットを活用した?)機械を制御下に置き、あらゆる戦争を抑止することを目指した超高性能計算機であり、前人未到のパーメットスコア6を記録したエアリアルはその核となる存在、ということでした。そしてエアリアルはおそらくエリクト・サマヤを取り込んでいる……。この取り込むというのはどこかにエリクトの脳みそが乗っかってるとかではなく、恐らくエアリアル内のパーメット粒子そのものがエリクトになっているんだと思います。

 

これはフィクションではなく現実の話ですが、将来人間の意識をコンピュータに移行させるためのプランとして、一度人間の脳とコンピュータを繋いだ上で徐々にその役割をコンピュータの方へと重心を傾けることで、主観としての意識の連続性を維持したままコンピュータへの完全移行ができるとかなんとか。言葉で表現するなら「人間」が「人間と機械の融合」を行い、徐々に「機械と人間の融合」へと逆転させ、最終的に「機械」になるという感じです。

 

おそらくイメージに近いのはこれです。プロローグでルブリスに適合したエリクトは、リンクを続けることでいつしかルブリスそのものになったのでしょう。恐らくこの完全な機械の肉体こそカルド・ナボ博士の言っていた「宇宙空間に適応した肉体」でしょう。

 

この副次的作用として、意識は高性能の計算能力を手に入れたはずです。どれくらい高性能かというと、11基のガンビットを極めて柔軟に、かつ独立して操作するほどの高性能です。あるいはそのガンビットを介して一定空間の未来予知すら可能とするほどです。これがシャディク戦で見せた「気持ち悪い」と評される動きの正体でしょう。

 

しかしデリングとプロスペラはこの副次作用の方に目をつけました。圧倒的な計算能力とガンビットを介した空間支配。これにより広い宇宙のあらゆる機械を制御下に置くのがクワイエット・ゼロの狙いというわけです。

 

そして、恐らくプロスペラの真の狙いはそこにはありません。全てはエリクト、エリィの為。たった1人向こうの世界に行ってしまったエリクトを1人にしない為、この世の全てをありったけパーメット次元に持っていくつもりなのではないでしょうか?もちろんその過程でほとんどの人間はデータストームで死ぬでしょうが、幾らかは適合して生き残るはずです。それでもいい……とするのが、母の愛なのかも……?

 

というまた外れるであろう妄想を垂れ流しつつ、他側面もいろいろ面白かったですね。

 

チュチュはギリギリ人の道を踏み外さずに済みました。シャディクガールズは当たり前のように踏み外しました。ニカ姐はseason2ティザービジュアル通りシャディク側に連れて行かれました。あとセセリアはあしふといな!どうようするとかわいいな!ロウジくんともども死ぬなよ!

 

多いよ!

 

あと、またグエルが出てきませんでしたね。その代わりと言ってはなんですが、ラウダの存在感が増してきました。その上ペトラとフラグが立ってましたね。「え?あの2人"そういうの"だったっけ?」みたいな顔したフェルシーがコミカル。頑張れフェルシー、お前がヒロインになるためにグエルを探せ!

 

あとエラン5号。コイツの存在感も増してきました。これまでウゼェナンパ野郎の二つ名をほしいままにしてきた彼でしたが、いやまぁウゼェナンパ野郎なのは変わらないんですが、かなり多くの事情に触れる重要人物になりました。彼は4号の末路はもちろんのこと、今回の事件以前にノレアと個人的な連絡を構築しており(恐らく13話でぶつかった拍子にノレア側から何か接触があった)、恐らく行方不明または死亡と報道されるであろうサリウスがシャディクの手によって拉致されたことも知っています。更にファラクトの操縦スキルも卓越しており、量産されたガンダムもどき「ガンヴォルヴァ」2機とルブリスソーンをパーメットリンク無しでやり合ってしまうほど。敵か味方かわからない立ち位置もさることながら、どんどん魅力的なキャラになる5号のこの先が楽しみです。ところでお前誕生日いつ?

 

思い出せた限りでこんなところでしょうか。

他にもなんかいろいろあった気がしますが、ともかくはまた来週を楽しみにしましょう。

 

次回「父と子と」。うーん、どの父と子だ。