うさ日記

憂さ晴らしに書くのかもしれません

今後の出番があるとは言ってない。

この文章は機動戦士ガンダム水星の魔女第15話「父と子と」までのネタバレを含みます。

 

グエルがトレンドを制覇しました。

 

そしてとうとうスレッタが1秒も出なんだよ。

 

今回はひたすらに地球の状況が語られました。

やっぱりフォルドの夜明けに拉致られていたグエルくん。まぁそりゃ身柄が割れたら誘拐されるよね。御曹司だもんね。

 

しかしベネリットグループ総裁暗殺未遂に加え、アスティカシアでもテロを起こし、御三家のうち2つのトップを表舞台から消してしまったフォルドの夜明けはとうとうドミニコス隊から追われる立場となってしまいました。実はデリングはともかく御三家の命には関与してないんですよね。とんだとばっちり。ちなみに彼らの命運はそれぞれの子供が握ったり握りつぶしたりしました。

 

しかしなぜだか本当に追いかけてきたのは地球のセキュリティフォース。ベネリットグループの地球駐留軍的なアレでしょうね。おそらくは戦争シェアリングの実行者でしょう。

 

戦争シェアリング。それはシャディクがぶっ壊そうとしている社会のシステムであり、ベネリットグループの利益の根源です。MGS4における戦争経済みたいなもんですね。グループは地球で意図的に紛争を継続させることにより、MSなどの兵器需要を維持してきたわけです。

 

そしてシャディクはこれを改めようとしています。地球の中で細々した戦争を続けるのではなく、ベネリットグループの力を地球に与えることで地球VS宇宙の巨大な冷戦状況、抑止を意図した軍拡による利益構造を構築しようとしているわけです。

 

現在の戦争シェアリングは21年以上前、現在よりも凄惨だった戦場を憂いたデリングが構築したシステムです。そこでは機械が戦争を推進し、人間はその戦争というシステムを動かす歯車として消費されていました。プロローグの演説通り、人間にとって闘争が避けられない本能であるならば、せめて最低限の人倫と当人の意思の元で行われるべきだというのがデリングの考えです。これに基づいているのが戦争シェアリング、地球の紛争というわけですね。

 

シャディクはこれを壊し、より大きな戦争を引き起こしかねない状況を生もうとしています。それがどんな動機に基づくのかは不明ですが、力で作られた秩序であれば力で壊してなにが悪いと思っているようではあります。つまりラインハルトみたいなもんですね。

 

危険なのはシャディクの構想は一歩間違えれば全面戦争を引き起こしかねないということです。まさに宇宙を二分した戦争の危機をちらつかせることで、より大きな利益を生もうという計画ですからね。

 

ところでこの推移は現実の経過に近い気がします。

冷戦期の終盤、ミサイル戦争と呼ばれた一時代には、先制攻撃する核ミサイルとそれに報復する核ミサイル。そのどちらもが機械に制御され、半ばシステム的な絶滅戦争の準備が行われていました。その後、対テロ戦争という小規模な戦争が各地で行われつつも先進国の住人は平和を謳歌する時代が続きました。そして今、ロシアのウクライナ侵攻により再び世界を二分した戦争の危機が近づきつつあります。これはその意味で現代風のガンダムなんだな、と。今までは戦後のガンダムでしたが、いわばこれは戦前のガンダムなわけです。

 

それはさておき、グエルは大変なことになりました。女の子を救えず、会社は危機に瀕し、自分には何の力もなく、どうしたいのかすら、どう進みたいのかすらもう朧げです。それでも、それでも父の生きた証を無きものにしないため、そのつながりを続けるために進んでいくことを決心しました。

 

オルコットもまた、先を考えるようになりました。正義を貫きアーシアンについた、裏切り者の元ドミニコス隊員。そしてそのアーシアンに裏切られ、子を失った父親。それでも自らの正義から目を背けられない頑固者。

 

そうして父を失った子と、子を失った父の旅が始まりました。軌道エレベーターを目指す旅が。

 

 

 

……えっ!?軌道エレベーターあるのこの世界!?