うさ日記

憂さ晴らしに書くのかもしれません

殺れる!潰せる!エアリアル!

この文章は機動戦士ガンダム水星の魔女第12話「逃げ出すよりも進むことを」までのネタバレを含みます。

 

 

 

スレミオ…………?

 

 

 

全国のミートソーススパゲティを調理中だったご家庭を食欲減退のどん底に陥れたCパートから一夜、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

お前ガンダムオタクなんだから慣れてるんだろ?とお思いの方もいるかもしれませんが、あんな風に粘っこい血袋をブチまけることに慣れてはいません。せいぜい人間が電子レンジで破裂して中身ぶちまけたり、首とか脚とかどう考えてもおかしい方向にひん曲がったり、そんなもんです。かつてモビルスーツに握りつぶされて死んだ人もいましたが、宇宙服の中で見るも無惨なことになっているのを台詞で描写しただけでした。

 

でも粘っこい液体が無重力空間にビシャッと叩きつけられた描写はよく出来てましたね。飛び散った方は球体になり、張り付いた方は広がり、粘性があるからその中間みたいなやつもあるという。いややめろよ。なんでそんなもん丁寧にやってんだよ。

 

というか、スレッタってあんまり泣けない子なんですよ。だからそんなに液体の描写がなかった。これまで涙が直接描写されたのは試験でやり直しくらいまくった時くらいで、エラン(故)に暴言吐かれた時もミオリネと揉めてトイレに篭った時も涙自体は描かれなかったんです。

 

なのに何故……。

なんとなくですが、スレッタはお母さんの言葉で自分の心を殺せてしまうタイプなのかなと。「逃げたら1つ、進めば2つ」は注射を怖がっていた時から一貫して「恐怖を乗り越えるおまじない」なので、人に殺される・人を殺すという恐怖も乗り越えてミオリネを助けられてしまったというか。多分エアリアル搭乗前の影の中から一歩、血飛沫を乗り越えて光へと踏み出す描写はその現れなんじゃないかなぁ……。だからミオリネにはどうかスレッタから目を逸らさないでいて欲しいですね。えっフラッシュバックする?まぁそれはそう。

 

ところで逃1進2といえば、とうとう確定的な話が出ましたね。デリングはやはりミオリネのことを大切に思っていました。妻と2人、どちらも殺されてしまえばミオリネを守れる者がいなくなるから、もしもの時にはどちらかだけでも生き残れる道を選ぼう、と。そう、これもまた「逃げれば1つ、進めば2つ」です。進んで2つ失うより、逃げてでも1つを取るのがデリングの人生だったということです。

 

そしてもう一つ。グエルは「死なない、死にたくない!俺はまだ、スレッタ・マーキュリーに進んでいない!」と、進むことを選びました。もし逃げていれば、失うものは自分の命一つで済んだでしょう。しかし、進んだことによって失われたのは乗機のブレードアンテナ=誇りと、尊敬する父親の命でした。

 

ゆりかごの星の時から、物事には正負両面が存在することはチラつかされていました。エアリアルのことです。プロスペラはエアリアルをスレッタの「剣」としますが、エアリアル自身は「盾」になることを誓います。これはエアリアル自身の左右の手に現れています。つまり、右腕のビームライフルと左腕のシールドです。この意味で言えばやはりプロスペラは攻撃の人なのでしょう。彼女にとっての右腕は、失われたものではなくむしろ本来の体ですらあります。この右腕でプロローグ時にはルブリスを操縦し、この右腕で査問会ではデリングを指差して見せました。このGUNDこそ、彼女にとっての剣であり攻撃の象徴なのではないでしょうか。

 

そして冒頭に戻りますが、手ごね(一回)ハンバーグを作ったのは右手です。やっぱり人を傷つけるのは右手なんですよね。まぁそのあとミオリネに差し伸べた手も右手なので、シンプルに利き腕が咄嗟に動いただけかもしれませんが。

 

腕に右と左があるように、MSが剣にも盾にもなれるように、「逃げれば1つ、進めば2つ」もまた、正と負の結果をもたらします。というか前回の感想で言いましたね。この言葉は現代らしい、と。だから、逃げずに進めば絶対道は開けるよ!なんて無責任な意味ではないのです。進んだとしても失うものがあり、逃げても得られるものがある。大切なのは、それを自分の責任で選ぶ「あなた自身」。それが水星の魔女のテーマなのではないでしょうか。

 

2期に向けて、これを踏まえて気になることがあります。それは今回なにも選べなかった子、ミオリネがスレッタから逃げずに進むことができるかです。もうなんか気持ち的に2週間どころではなく離れてしまった第11話で、ミオリネはスレッタに「逃げずに進んできてよ!」と心中を吐露します。このように積極性の塊に見えて、身内には本質的に受け身の甘えんぼさんなのがミオリネの本質でしょう。彼女の心そのものである屋内菜園は「誰も入ってくるな!」という心の壁です。しかしその言葉とは裏腹に、踏み出してくる人を求めています。まさに「あと一歩、君に踏み出せたなら」を待っているのです。そんな彼女が自分から一歩踏み出し、スレッタを受け入れに行くことができるのか。これが今後の焦点になると思います。

 

……と、物語についてのお話はここまでとして。ここからはガンダムオタクらしく設定の話をしましょう!そう!俺が老害だ!全てのガンダムを、肯定します!!!

 

まず面白いのが、実弾は宇宙を汚すからビームを使うという設定です。確かに!薬莢とかスペースデブリそのものですもんね!実際ずっとビーム兵器しか出てこないことが気になってはいました。しかしこういう事情があったとは。そして実弾使う不届きもの=アーシアンという差別感情のあらわれ!しかしアーシアンからすれば地球を汚したスペーシアンがどの口で……

 

……ここまで書いてありました。3ヶ月放置してました。何書くつもりだったか忘れました。

 

season2へつづく!