うさ日記

憂さ晴らしに書くのかもしれません

グエルのブライド

この文章は機動戦士ガンダム水星の魔女3話「グエルのプライド」までのネタバレを含みます。

 

まず関係ない話なんですが、3話でもまだTwitterのトレンド一位をかっさらう水星の魔女の勢いにビビっています。それも瞬間的なやつではなく、17時の放映開始から大体鎌倉殿の13人が始まるまではトレンドを総なめしているので、かなりの勢力があるのだなと。

 

それはそれとして、まずなんと言っても今回はグエルです。1話の公開当初は嫌われ者ルートまっしぐらだった彼ですが、今やみんな大好きなヒロインに!おそらくトマト農家とミオリネ以外の全ての人が彼を気に入ったのではないでしょうか?私もそんな1人です。

 

そんなグエルくんの良いところは、なんだかんだで相手の話をちゃんと聞いているところです。自分に嫌味を言うセセリアの言葉も、自分を馬鹿にしている(と思い込んでいた)スレッタの言葉も、彼は無視することなく真っ向から受け止めています。恐らくですが、根が真面目なのでしょう。取り巻きの羨望も、父の使命も、何もかも受け止めて求められる自分として振る舞っていたのだと思います。そんな彼が唯一何にも縛られず、ただ独力で自己表現できたのがMSのパイロットとしての決闘だったのでしょう。

 

しかし、父親は彼のそんなささやかなプライドにすら理解を示さず社運をかけた決闘に介入してきます。勝敗はMSの性能によって決まらず、操縦者の腕によって決まらず、ただ結果のみが示すとは確かに言いますが、それでも決闘である以上は自力のみで戦いたかった。勝ちたかった。勝てると信じて欲しかった。しかし彼の生来の真面目さが、手段を問わず勝つことを求められていることを明敏に悟ってしまいます。それゆえ一度はコントロールスティックから手を放し、それでも通信の上では彼が戦っているかのように言葉を放ちました。

 

しかし最後は再び誇りと操縦桿を握りしめ、たとえ敗北するとも正面からスレッタに相対しました。その結果は……紙一重の敗北。前回とは異なり、もはや一片の言い訳も効かない敗北です。そして対面した勝者、スレッタ・マーキュリー。グエルは彼女が来るまでホルダー、つまり学園における勝者でした。それゆえ誰よりも勝者の振る舞いを弁えています。敗者を鞭打ち、嘲り、辱めるのは勝者の持つ当然の権利。彼は他者へ行ってきたその残酷な仕打ちが、自分に向けられることを覚悟していたはずです。

 

「あああっあああなたは!強かった、です!」

 

だからこそ、響く。

ガードを固めるように、自らのささやかなプライドを守るように、積み上げた覚悟ごと抱き止めるかのような、「ただのパイロット」であるグエルを肯定する言葉。母性すら感じさせるそれは彼の沈んだ瞳に光を取り戻させ……

 

「結婚してくれ」

 

いやプロポーズにはならんやろがい!

そうはならんやろ!なっとるけど!ええ!?という感情になりつつ、でもこうして振り返ると納得の"三"目惚れなんですよね〜!かわいいねグエルは。

 

可愛いといえばもう1人、今回太い……もとい強い印象を残したキャラクターがいましたね。セセリア・ドート。ブリオン寮に属する経営戦略科の2年生で、公式で「嫌味を言うことにかけて右に出る者がいない」と明言される毒舌家です。そんな下馬評に違わず、1話で決闘に負けたグエルを煽る煽る!彼は学園母体のベネリットグループ御三家の御曹司なんですが、まるでおそれを知らぬ太もも……じゃなくて肝っ玉の太さです。いやはや全く恐れ知らずで、その太もも……もとい神経の太さはむしろパイロットとして活かしてほしいという気持ちもあります。

 

………。

…………。

……………。

………………太もも太くない?

 

いやふっと!これは太いですよ!もうなんか公式のキャラクターイラストの時点で同人誌にありがちな謎の擬音が見えるようです!「巨乳ばっかじゃねぇか笑」「こんな女の子現実にはいないから笑」などと揶揄される通り、二次元キャラというのは往々にして胸を強調されがちです。その他の部位はちゃんと飯食ってるのか不安になる程細く描かれることも多いですが、昨今はウマ娘たちやブルアカのユウカやFGO呼延灼シャニマスの冬優子などぶっとい太ももをむしろ魅力としてデザインされたキャラクターの隆盛がめざましいです。それにしても太い!せせりあはあしふといな!こんなに太ももが太いことに盛り上がったのは、初めてエアリアルのイラスト見た時以来です。まさかガンダムのMSに更新された太ももびっくり記録がガンダムのキャラに塗り替えられるとは……。

 

多分コミケにめっちゃ出る枠のキャラです。分かる人には分かる言い方をすると、ギャン子とかミーアのポジション。かわいいねセセリアも。

 

さて、太もも繋がりで(?)エアリアルにも言及していきます。今回もMSの戦闘描写がカッコ良く、ますます水星の魔女への信頼が増したのですがそれはそれとして、実は一つ結構気になったシーンがあります。それはAIの操作するダリルバルデにエアリアルの右腕を切断されるシーン。これまでのスレッタのエアリアルに対する溺愛ぶりは、普段人見知りな彼女がミオリネにすらとっとと降りろと啖呵を切るほど。さぞやエアリアルが!と大騒ぎするものと思っていたのですが……。

 

……あれ?意外にドライ?っていうかなんなら余裕と落ち着きすら感じますね。ミオリネに自分が排水を止めるまで持ち堪えろ、と言われた時もなんか余裕そう……。むしろ「えっ?今のままでも全然勝てるけど長引かせなきゃいけないの?」くらいのテンションに見えます。愛機の片腕を落とされ、主武装ガンビットによるオールレンジ攻撃を封じられ、驚きこそすれ焦りはしないスレッタは、一体どんな経験を積んできたのでしょうか?

 

ここは彼女の背景に迫る重要な手がかりであるように思えます。ゆりかごの星では恐らく戦闘シミュレーションである「ゲーム」や危険な環境での救助活動を行なっていたことが明らかになっています。しかし、スレッタのもはや風格すら漂う強さは仮想や類似の経験からくるものなのでしょうか?むしろまさに同じ経験、つまり戦闘経験に裏打ちされた自信のように見えます。一体スレッタは水星でどんな生活を送っていたのでしょう?

 

グエルへの理解が深まるのに反比例して、スレッタはむしろ謎めいてくる。そんな第3話でした。次回「見えない地雷」地雷って基本見えないものな気がするけど、スレッタは人間関係ほぼ全てに盲目だから気にせずに突き進め、ガンダム!(SEED風)